髪に肌用化粧水を使うのは、効果があるのでしょうか?
髪と肌は構造が異なるため、同じ効果が得られるとは限りません。
知らずに化粧水を髪につけ、放置すると、髪の水分が蒸発し、逆に痛んでしまう可能性もあります。
しかし場合により頭皮には効果ある可能性もあります。
この記事では髪に化粧水を使う時の正しい知識と使い方をお伝えします。
髪に化粧水つけても効果がないって本当?
結論から言うと効果が無いわけではありません。しかし効果があまり期待できないということです。
「化粧水はほとんど水でできているから意味がない」という事を聞くこともあります。しかし、シャンプー、リンスやトリートメントもほとんど水でできています。
「化粧水は水だから悪い」のではなく、髪に適した成分の配合と製造方法で作られていないため、「あまり意味がない」ということです。
髪に化粧水つけて効果がない理由
髪に化粧水をつけても効果がない理由は下記の2つです。
- 髪と肌では水分と油分の比率が異なる
- 水分を保護する効果が化粧水にはない
化粧水は髪用に作られていないので、基本的に効果は期待できません。
2つの理由を解説します。
髪の毛と肌では水分と油分の比率が異なる
健康でキレイな髪と肌は、水分と油分のバランスが大事であり、理想的な比率があります。
- 髪 水分2.5 : 油分1
- 肌 水分4 : 油分1
髪は肌よりも油分が多く、髪の保湿を考えるときに、油分の方が重要になります。髪の水分を補給することを気にするより、髪のキューティクルの乱れがないかを気にしましょう。キューティクルが乱れていると、隙間から水分が流出します。
化粧水があまり効果がないのは、水分補給より油分の調整と、水分の蒸発を防ぐ方が大切だからです。
化粧水では髪の毛の水分を維持できない
髪に化粧水をつけても効果は薄いです。リンスやトリートメント、ヘアオイルなどには、シリコンなどのコーティングしてキューティクルを保護する成分が入っています。
肌に乳液やクリームなどのように蓋をする化粧品が必要と同じかそれ以上に、髪は蓋をして保護する成分が必要です。そもそも化粧水は、蓋をする効果がありません。
しかし乳液やクリームのような保護成分を化粧水に入れられません。
髪に化粧水をつけると髪が痛む理由
髪は、自然な潤いを維持するために、水分だけでなく油分も必要です。油分は、髪を保護する役割も果たしており、不足すると髪は乾燥してしまいます。化粧水を髪につけたまま放置すると、髪の水分が蒸発し、乾燥してしまうことがあります。化粧水だけでは足りないのです。
化粧水によってアルコールの配合量が多いものもあります。アルコールで髪や頭皮の皮脂を除去してしまい、乾燥や刺激を引き起こすことがあります。また、アルコールが髪の表面を傷つけ、髪の毛をパサつかせたり、キューティクルを傷つけたりすることがあります。
髪の毛に化粧水をつけると現れる悪い症状とは?
髪に化粧水をつけると現れる悪い症状は主に3つあります。
- 乾燥してキューティクルも乱れ髪がパサつく
- 髪がべたつくになる
- ヘアカラーの色落ち
それぞれの詳細を解説します。
髪の乾燥とキューティクルの乱れでパサパサになる
髪は、水分と油分のバランスが「2.5:1」に保たれることで美しい状態を保ちます。ただし、化粧水は油分が不足しているため、水分が蒸発しやすくなります。
髪の内部の水分量が高くなると、髪の表面と内部の水分量に差が生じます。この差が大きくなると、髪の表面と内部の間に力が働き、キューティクル層が持つ鱗片同士が剥がれてしまうことがあります。これによって、髪が濡れたまま放置されるとキューティクルが乱れる理由が生じます。
キューティクルは、髪を保護し水分を保持する役割があり、鱗片同士が密着しています。しかし、キューティクルが乱れると鱗片同士が剥がれ、その結果水分が蒸発しやすくなります。
“髪の水分が過剰に蒸発→キューティクルが乱れる→髪の水分が更に蒸発”という流れが起こるようになります。
化粧水を髪の毛に使うと、この現象が起こることで痛む可能性があります。
髪がべたつく
化粧水は肌用に作られており、髪につけるとべたつきが起こるときがあります。それは配合成分とその量が髪の毛に合っていないことがあるためです。
化粧水には、グリセリンやBG、コラーゲン、ヒアルロン酸などの保湿剤が多量に配合されており、保湿剤が多い化粧水を髪の毛に塗るとべたつきます。更に化粧水に油分がないので、それらは時間とともに蒸発してしまい、髪の保湿にはなりません。
べたつくだけでなく、カピカピになる場合もあるので注意が必要です。
ヘアカラーの色落ちの原因になる
ヘアカラーは、キューティクル層の内部に浸透させ、髪の内部の色を変えます。
髪に化粧水を使うことで、キューティクルが乱れる可能性があります。キューティクルが乱れていると、ヘアカラーの色素を髪の内部に閉じ込めることができなくなるため、色の均一性が失われ、色落ちが早くなることがあります。
さらに、キューティクルの損傷によって、髪表面が粗くなり、髪の内部から光が透過しづらくなります。そのため、髪表面に光が反射されず、髪の色が暗く見えたり、くすんだりすることがあります。
したがって、キューティクルを保護することが、ヘアカラーの色持ちや髪の健康維持に欠かせないことがわかります。
化粧水で髪と頭皮を保湿!正しい方法とは?
化粧水を髪と頭皮につけることが全て悪いわけではありません。髪に化粧水をつけることはおすすめしませんが、頭皮の保湿効果はあります。頭皮の乾燥に悩んでいる方に、2つの方法を紹介します。
シャンプーの方法を変える
頭皮が乾燥すると、フケや抜け毛など様々なトラブルが起こるので、頭皮の保湿を保つことは大切です。頭皮の場合、「水分4:油分1」のバランスになる為、化粧水が大切になってきます。
しかしシャンプーやトリートメントにも保湿剤が配合されていますので、シャンプーとトリートメントを正しく使っていれば、頭皮が乾燥することも少なくなるはずです。
頭皮が乾燥すると感じている方は、シャンプーの方法が間違っているかもしれませんので、下記の記事に原因と対策を記載しています。
頭皮用化粧水か保湿剤が少ないさらっとした化粧水を使う
もし化粧水を使う場合は、頭皮用の化粧水か、保湿剤の配合量が少ないさらっとした化粧水を使いましょう。
髪の毛の保湿では使えないので、髪の毛につけないように配慮しながら頭皮につけていくと良いでしょう。
スプレータイプで頭皮近くにスプレー口を近づけて噴射し、頭皮にもみ込むようにつけましょう。
まとめ
化粧水を髪の毛に使うのは意味がありません。時に髪を痛めてしまいますので、髪の毛を保湿する目的で化粧水をつけるのはやめましょう。
頭皮であれば使うのもありですが、まずはシャンプーの見直しを行い、しっかりとした対策をした後、それでも頭皮が乾燥する場合に頭皮用の化粧水を試してみましょう。